1912年の第5回ストックホルム大会以来、オリンピックの開催地は、公式のポスターを制作するミッションを与えられてきました。それぞれの開催地の文化を背景に、時々のグラフィックデザインの傾向が表現されたものでした。
ロンドンオリンピック・パラリンピックでは、イギリスの代表的な国立美術館ネットワーク、‹テート›のディレクターらのディレクションの元、イギリスを代表する現代美術家のうち、6人はオリンピックを、6人はパラリンピックを担当し、全部で12人のアーティストによる公式ポスターが出来上がりました。
その12点の原画が、London 2012 Festival(ロンドンオリンピックのカルチュラル・オリンピアード)のプロジェクトの一環として、ロンドンの歴史ある美術館・テート・ブリテンに展示されています。
美術館の入り口からすぐのコリドーに展示されており、もちろん無料で誰でもみることができます。作品は全体的にとてもアヴァンギャルド。公式ポスターというと、特に近年は大会ロゴがメインに配置されたものが多かったのですが、各アーティストとも、まさに、現代美術の作品として仕上げています。
一番、わかりやすく印象に残るのは、Rachel Whiteread作の「LOndOn 2012」。彼女は、彫刻や絵画で英国を代表するアーティストですが、記憶の中にあるものをまるで日記をつづるように自由に描く作風で知られている人だそうです。作品は、いくつものリングが、オーバーラップして画面に足跡を残しています。見てわかるとおり、オリンピックの五輪の輪をイメージできるものであり、飲み物のボトルやグラスの跡、ともイメージできます。そして、ひとつの場所に集う、つまり、オリンピックに集まるアスリート、オーディエンスを表しているともとれます。
現代美術というとわかりにくい、というイメージがありますが、こうして目に映るものをいろいろ想像するのも楽しいものです。
この作品は、London Festival2012のオフィシャルパンフレットの表紙にもなって、街中あらゆるところで見かけました。
また、ポスターとして加工された(と、いっても、下のほうに小さく大会ロゴがはいているだけなのですが)すべての作品は、美術館や公式ショップで購入することができます。いくつかの作品は、ロンドンの地下鉄で装飾にも使われていました。
ロンドンオリンピックの公式パンフレットもまるでファッション誌か、と思うほどのオシャレさなのですが、伝統と革新、両方を大切にし、アートへの理解、懐の深さ、浸透が隅々まで行きわたっているイギリスならではのポスターでした。
個々の作品は、今後、フェイスブック(http://www.facebook.com/olympicconcert)でアップしていきます。
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