今から3000年近くも前のお話、古代ギリシャのオリンピックでは、「芸術競技」も行われ、芸術家たちはオリンピックのために集まってきた多くの人々に、自作の芸術作品を見せ、競い合ったと言われています。
また、近代オリンピックが誕生して以降も、第5回大会(1912年ストックホルム)から第14回大会(1948年ロンドン)までのオリンピックでは、芸術競技が実施され、メダルも渡されていました。近代オリンピックの租、クーベルタン男爵も偽名で文学部門に応募、なんと金メダルを獲得したそうです。
スポーツと文化・芸術、一見関係のないものに思えますが、どちらも人間が、その持てる力を発揮し、鍛錬をつみながら、唯一無二のパフォーマンス(作品)を創造するものです。そして、言葉や文化の違いを超えて、そのパフォーマンス(作品)は人間の心に強く訴えかける何かがあります。
オリンピックの目的は、スポーツを通して心身を鍛錬し、国や地域、文化の違いを超えてお互いを理解し世界平和に貢献していこうとするもの。この理想を実現するために、スポーツのみにかたよらず、教育、文化と一体化となって、オリンピック精神を広めていくことが、非常に大切と考えられています。カルチュラル・オリンピアードとは、この考え方のもと展開される文化・芸術によるオリンピック精神の普及活動です。
ロンドンオリンピックの開会式・閉会式も«音楽»«映像»が非常に効果的に使われていました。開会式の演出は、アカデミー賞を「スラムドック$ミリオネア」で受賞したダニー・ボイル監督。映像と音楽を巧みに使い、人々を楽しませ、心を一つにする、という映画のマエストロならではの一級のエンターテインメントでした。特に、女王陛下とジェームス・ボンドが共演!この奇抜なアイディアとそれを受け入れる寛容さには驚かされました。
また、オリンピック開催前の6月21日から、イギリス全土では『London 2012 Festival』という、カルチュラル・オリンピアードのプログラムとしての一大文化プロジェクトが9月9日まで開催されています。コンサートあり、美術展あり、ダンスあり、と様々な分野にわたり、1000万もの人々が無料で体験できるとしています。
オリンピックを開催するということは、文化やアートにおいても大きな楽しみが国中にあふれることにもなるのかもしれません。 そこに暮らす人々の生活に活気を与え、それぞれが、様々な形で一生忘れられない体験ができる。そんな雰囲気がロンドンの街角にもあふれていました。
このブログでは、今後、いくつかの『London 2012 Festival』のプロジェクトを紹介します。
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