15世紀末のフランス。クロパン率いるジプシーの一団がパリにやって来るが、ノートルダム大聖堂の司教フロロは、彼らを嫌悪していた。ジプシーたちを追い払うよう命じられた近衛隊長のフェビュスは、そのなかに美しい娘を見つける。名前はエスメラルダ。フェビュスは婚約者のいる身でありながら、彼女に惹かれていく。
街では“愚者の祭り”が行われていた。年に一度、この日だけはもっとも醜い者が王になれる。選ばれたのは、ノートルダム大聖堂の鐘つき男カジモドだった。その醜さゆえに捨てられた赤ん坊を、フロロが育てたのだ。エスメラルダによこしまな想いを抱いたフロロは、カジモドを使って彼女を誘拐しようと企てるが、エスメラルダはフェビュスに助けられ、2人は密会の約束をする。
一方、誘拐に失敗して捕らえられたカジモドは、広場でさらし者にされるが、エスメラルダはそんな彼に優しく水を飲ませてくれた。己の醜さを呪いながらも、一途な恋心を募らせていくカジモド、聖職者として許されない感情にさいなまれるフロロ、婚約者とのあいだで揺れ動くフェビュス―――
男たちの愛と欲望が渦巻くなか、エスメラルダの想いはフェビュスにあった。しかし、密会したエスメラルダとフェビュスが結ばれようとしたとき、フェビュスが何者かに刺されてしまう。